学生の声

助け合いの国、イギリスを実感

障がい者施設での研修

 私たちは短期イギリス留学において病院、障がい者施設、ホスピスの計4つの医療施設に行きました。そこでは、日本との共通点や相違点を多く見つけることができました。まず、最も印象的だったのは、NHS(National Health Service)というイギリス政府が運営する国民保険サービスについてです。NHSの病院は診察料が原則無料であるという大きな特徴がありますが、診てもらうまでの待ち時間が長いことがデメリットです。それに対して、お金さえ払えばいつでもすぐに診察してもらえる私立病院があります。患者の環境や状況に合わせて病院の選択の自由があるのは、とても良いことだと思いました。

地元の総合病院でのアクティビティー

 次に、施設を見学した中で「チャリティー」や「ボランティア」という言葉を多く耳にしたことです。イギリスは助け合いの国であることを実感しました。例えば、過去にその施設に入っていて亡くなってしまった方のご家族からの寄付金で入所者の治療費や施設費が賄われていたり、施設の売店の店員さんはボランティアで、その利益は主に患者のために使われていたりするそうです。これは、日本ではあまり考えられないことです。施設を国や国民が支えていることにとても驚きました。病院訪問の際にNHSについて聞くと、どの看護師さんも「イギリスが誇るもの」とおっしゃっていました。イギリス国民や看護師さんたちは、NHS制度や施設、仕事を誇りに思っているのでしょう。
 また、見学した病院には医師のいないところもありました。イギリスでは緊急の場合のみ医師を呼び、最初は看護師だけで処置をするそうです。イギリスの看護師さんは、一人ひとりのスキルと意識が高そうだと感じました。イギリスと日本のどちらの仕組みが良いのかは私にはまだわかりませんし、それは人それぞれかもしれませんが、どちらにもメリットとデメリットがあると考えます。

リハビリテーション用のプール

 障がい者施設では、入所者の人たちと兜や鶴を折ることができました。これはとても楽しい経験でした。少しずつ心を開いてくれて、最後には強く手を握ってもらえた喜びは忘れません。私は英語が得意ではないのであまり話すことはできませんし、理解するのは大変でしたが、必死に聞こうとすることや伝えようとすることは、人と人との関係を構築していくためにとても大切なものなのだとあらためて思いました。言葉だけがコミュニケーションではないということを実感したのです。これは看護において、きわめて大切なことになります。

リーズ城の観光

 今回、実際にイギリスの医療現場に行き、自分の目で見て当事者の方々の生の声を聞けたことは、本当に良い経験となりました。様々な質問をしたことで多くの収穫がありました。イギリスで得られたことを無駄にせず、日本においても看護の学修はもちろん、英語やコミュニケーションに関してもしっかりと学んでいきます。

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